近年、スーパーフードとして注目を集めているビーツ。
その鮮やかな赤紫色は見た目にも美しく、栄養価も高い注目の食材です。
しかし、初めて調理する方にとっては、その独特な特徴から戸惑うことも多いのではないでしょうか。
今回は、ビーツを美味しく、かつ安全に楽しむための基礎知識から応用まで、詳しく解説していきます。
目次
ビーツとはどんな野菜?基本情報を解説
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アカザ科に属するビーツは、見た目はカブに似た根菜類で、世界三大スープの一つであるボルシチの材料としても知られています。
欧米では一般的な食材として親しまれており、日本でも健康志向の高まりとともに注目を集めています。
ビーツの特徴と種類
ビーツには様々な品種があり、それぞれに特徴的な性質を持っています。
一般的に見られる品種と、その特徴を見ていきましょう。
品種名 | 特徴 |
---|---|
デトロイトダークレッド | 最も一般的な赤色品種 |
ゴールデンビーツ | 黄色い品種 |
キャンディストライプ | 縞模様の品種 |
ホワイトビーツ | 白色品種 |
チョジア | 断面が渦巻き状の品種 |
これらの品種は、見た目だけでなく、味や食感にも微妙な違いがあります。
ビーツの下ごしらえ
調理を始める前に、適切な下ごしらえの方法を知っておくことが重要です。
以下に基本的な手順をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
- 泥や汚れを丁寧に洗い落とす
- 根と葉の付け根を3cm程度残して切る
- 皮つきのまま調理するか、必要に応じて皮をむく
- 用途に合わせて適切なサイズにカット
- 色移り防止のため、調理器具の準備を整える
これらの手順を守ることで、ビーツの栄養価を損なうことなく、美味しく調理することができます。
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編集部
皮をむく際は、色素が手に付着しやすいため、使い捨て手袋の使用がおすすめです。
ビーツの栄養とアンチエイジング効果
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ビーツには、私たちの健康維持に欠かせない様々な栄養素が含まれています。
特に葉酸は100gあたり400μgと豊富で、通常の野菜と比べても非常に高い含有量を誇ります。
また、カリウムや食物繊維も豊富に含まれており、むくみ予防や腸内環境の改善にも効果的です。
ベタレイン色素
ビーツ特有の赤紫色の正体であるベタレインは、強力な抗酸化作用を持つ色素です。
また抗炎症作用も持ち合わせており、体内の酸化ストレスを軽減することで、若々しい体づくりをサポートしてくれます。
一酸化窒素(NO)の働き
ビーツに含まれる硝酸塩は、体内で一酸化窒素に変換されます。
この成分には血管を拡張させる作用があり、血行を促進する効果が期待できます。
その結果、脳の血流が改善され、運動パフォーマンスの向上にも効果があると考えられています。
初心者でも簡単!おすすめビーツレシピ
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ビーツサラダ
このサラダは前菜としてはもちろん、メインディッシュの付け合わせとしても相性抜群です。
材料(2人分)
- ビーツ 1個
- レモン汁 大さじ1
- オリーブオイル 大さじ2
- 塩こしょう 適量
- クルミ(お好み) 10g
- ビーツは皮をむき、2mm程度の薄さにスライス
- スライスしたビーツにレモン汁をかけ、15分ほどマリネ
- オリーブオイルを加えて軽く和える
- 塩こしょうで味を調える
- 粗く刻んだクルミを散らして完成
レモン汁の代わりにオレンジ果汁を使用するのもおすすめです。
ビーツのポタージュ
寒い季節に嬉しい、温かいポタージュのレシピです。
材料(2人分)
- ビーツ 1個
- 玉ねぎ 1/2個
- じゃがいも 1個
- バター 20g
- 生クリーム 100ml
- コンソメ 1個
- 塩こしょう 適量
- 水 400ml
- ビーツと野菜は全て2cm角程度にカット
- 鍋にバターを溶かし、玉ねぎを透き通るまで炒める
- ビーツ、じゃがいもを加えて軽く炒める
- 水とコンソメを加え、野菜が柔らかくなるまで20分程度煮込む
- ブレンダーでなめらかになるまで撹拌
- 生クリームを加え、塩こしょうで味を調える
ビーツの自然な甘みが活きる一品です。
ボルシチ風スープ
世界三大スープの一つ、ボルシチを手軽にアレンジしたレシピです。
材料(2人分)
- ビーツ 1個
- キャベツ 1/4個
- にんじん 1本
- セロリ 1本
- トマト缶 1/2缶
- サワークリーム 適量
- コンソメ 2個
- 水 600ml
- ビーツは2cm角、キャベツは一口大にカット
- にんじんとセロリは斜め薄切り
- 鍋に水とコンソメを入れて火にかける
- 野菜類を硬い順に加えて煮込む(ビーツ→にんじん→セロリ→キャベツ)
- 野菜が柔らかくなったらトマト缶を加える
- 全体を10分程度煮込み、味を整える
- 器に盛り、サワークリームをのせて完成
具沢山で栄養バランスも良く、これ一品で満足感のある食事になります。
ビーツスムージー
ビーツの栄養を手軽に摂取できる、健康的な一品です。
材料(1人分)
- 茹でビーツ 1/2個
- りんご 1/2個
- バナナ 1本
- 豆乳 200ml
- はちみつ 小さじ1(お好みで)
- ビーツは予め茹でて冷ましておく
- りんごは芯を除き、粗めにカット
- バナナは皮をむき、一口大にカット
- 全ての材料をブレンダーに入れる
- なめらかになるまで撹拌
- はちみつで甘みを調整して完成
朝食やおやつ、運動前後の栄養補給におすすめです。
ビーツのピクルス
ビーツの甘みと彩りを活かした、おしゃれな常備菜レシピです。
材料(瓶1個分)
- ビーツ 2個
- 酢 100ml
- 水 100ml
- 砂糖 大さじ2
- 塩 小さじ1
- ローリエ 1枚
- 黒こしょう(粒) 5粒
- ビーツは皮をむき、5mm程度の薄切りに
- 鍋に調味料を全て入れて沸騰させる
- 沸騰したら火を止め、ビーツを加える
- 粗熱が取れたら清潔な保存容器に移す
- 冷蔵庫で一晩以上漬け込んで完成
作り置きができ、サラダやおつまみとして重宝します。
ビーツの葉も捨てずに活用!食べ方と注意点
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ビーツの葉と茎は、栄養価が高く、独特の風味があるため、捨てるのはもったいないです。
部位に合わせた調理法で、美味しく活用しましょう。
- 柔らかい葉はサラダに
水にさらして苦みを抜き、お好みのドレッシングであえるだけで、栄養たっぷりのサラダの完成
- 茎や葉脈は加熱
炒め物や煮物の具材として活用するのがおすすめ
- スープの具材として
ミネストローネやポトフなど、具沢山のスープとの相性が抜群
葉のソテー
ビーツの葉は、シンプルなソテーにすることで、その風味を存分に楽しめます。
材料(2人分)
- ビーツの葉 1束分
- にんにく 1片
- オリーブオイル 大さじ1
- 塩こしょう 適量
- 葉は洗って3cm幅に切り、茎は細めにカット
- にんにくは薄切りにする
- フライパンでにんにくをオリーブオイルで香りが出るまで炒める
- 茎を加えて1分程度炒める
- 葉を加えてしんなりするまで炒め、塩こしょうで味付け
ビーツを美味しく安全に楽しむための注意点
ビーツをより美味しく、また安全に楽しむために、いくつかの重要なポイントがあります。
保存方法から食べ方まで、しっかりと押さえておきましょう。
保存方法と鮮度を保つコツ
ビーツは根と葉は分けて保存することで、長期間美味しく楽しむことができます。
根の部分は、新聞紙で包んでからポリ袋に入れ、野菜室で保存します。
適切に保存すれば、1〜2週間は鮮度を保つことができます。
葉の部分は水気を軽く拭き取ってから、キッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて冷蔵保存します。
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編集部
葉は傷みやすいので、3〜4日以内に使い切るのがおすすめです。
食べ過ぎに注意!適量を守ろう
ビーツは栄養価が高い反面、シュウ酸を含むため、食べ過ぎには注意が必要です。
1日の目安量は、生のビーツで100g程度です。
調理時の色移り対策
ビーツの鮮やかな色素は調理器具に付着しやすく、シミになることがあります。
以下のような対策を心がけましょう。
- まな板にはクッキングシートを敷く
- 手袋を着用する
- 木製のまな板は避ける
- 使用後の調理器具はすぐに洗う
茹で汁の活用法
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ビーツを茹でた後の赤紫色の茹で汁は、さまざまな栄養が含まれています。
- スープのだしとして使用
- ご飯を炊くときの水として活用
- ドレッシングの材料として使用
- 製氷して夏場のドリンクに
まとめ
ビーツは鮮やかな色合いと豊富な栄養を持つ、健康的な食材です。
生食から加熱調理まで様々な調理法で楽しめ、葉まで無駄なく活用できるのが特徴です。
- 栄養価が高く、特にベタレイン色素による抗酸化作用が期待できる
- 根と葉は分けて保存し、根は1〜2週間、葉は3〜4日を目安に使い切る
- 生食は2mm程度の薄切りにし、加熱調理で甘みが増す
- 色移り防止のため、調理時は手袋着用とまな板の保護が必須
- 1日の摂取目安は生で100g程度で、食べ過ぎに注意が必要
保存方法と適量を守ることは、栄養価を最大限に活かし、かつ食べ過ぎによる健康への影響を避けるために重要です。
欧米では日常的に食べられているビーツですが、日本でもその健康効果が注目され、人気が高まっています。
![編集部](https://imikoto-marche.jp/magazine/wp-content/uploads/2024/08/a730c28b03d167cefafbdc6e1002525d3037de49c7387bb5931e71cb70fef0b2.jpg)
編集部
ぜひ今回ご紹介したレシピや保存方法を参考に、毎日の食卓に取り入れてみてください。