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TOP > マガジン > 飲料 > オーツミルクは体に悪いって本当?デメリットと正しい選び方を解説

「オーツミルクが体に悪い」という噂を聞いたことはありませんか?

植物性ミルクとして人気が高まっているオーツミルクですが、「実は体に良くない?」「糖質が多くて太りやすいのでは?」といった不安を感じている方も多いようです。

この記事では、オーツミルクのデメリットや注意点、メリットとの比較や、体に悪くないオーツミルクの選び方などを詳しく解説します。

編集部

編集部

オーツミルクを健康的に取り入れたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

オーツミルクとは?

オーツミルク

オーツミルクは、オートミールやオーツ麦として知られるエンバク(燕麦)を水に浸し、砕いて濾過したミルク状の飲料です。

ここでは、オーツミルクが体に悪いと言われる理由や、牛乳や豆乳との違いについて解説します。

体に悪いと言われる理由

オーツミルクが「体に悪い」と言われる理由は、市販品に含まれる添加物や糖質の問題です。

市販のオーツミルクには、風味や保存性を高めるための添加物や、飲みやすくするための糖分が加えられている製品が少なくありません。

特に価格の安い製品は、植物油・ガム類・香料などの添加物が使用されていることがあります。

また、オーツ麦自体は炭水化物を多く含む穀物のため、精製度が高い製品では血糖値の急上昇を引き起こす可能性もあります。

さらに、牛乳と比較するとタンパク質含有量が少ないという栄養面での懸念も指摘されています。

牛乳や豆乳との違い

オーツミルクは牛乳と比べて、オーツミルクはカルシウムやタンパク質が自然な状態では少なめです。

多くの製品では、これらの栄養素が後から添加されています。

一方で、オーツミルクには牛乳にはない食物繊維(ベータグルカン)が含まれており、コレステロール低減効果が期待できます。

豆乳と比較すると、オーツミルクは大豆イソフラボンは含まれないものの、アレルギーを引き起こしにくいというメリットがあります。

また風味の面では、オーツミルクはまろやかでクリーミーな味わいが特徴で、コーヒーや料理との相性が良いと言われいます。

成分(100mlあたり)オーツミルク牛乳豆乳
カロリー約40〜50kcal約60kcal約35kcal
タンパク質約1g約3.3g約3.5g
脂質約1.5g約3.8g約2.0g
炭水化物約6.5g約4.8g約2.5g
食物繊維約0.8g0g約0.5g

この表からわかるように、オーツミルクは炭水化物や食物繊維が比較的多く、タンパク質が少ないという特徴があります。

栄養面では一長一短ありますが、乳糖や大豆アレルギーがある方には貴重な代替品となっています。

オーツミルクのデメリット

オーツミルク

オーツミルクには多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。

健康的な選択をするためには、デメリットをしっかりと理解しておくことが重要です。

糖質が多いものは太りやすい

オーツミルクの中には、糖質量が比較的多い製品が存在し、これが太りやすさにつながる可能性があります

特に注意が必要なのは、「オリジナル」や「バニラ」などのフレーバー付き製品です。

フレーバー付きの製品には砂糖が添加されていることが多く、100mlあたり5〜10gもの糖質を含む製品も少なくありません。

例えば

砂糖入りオーツミルク250mlを毎日飲んだ場合…

追加で12.5〜25gの糖質を摂取することになり、年間では4.5〜9kgの体重増加につながる恐れがある

またオーツ麦由来の炭水化物は、精製度によっては血糖値を急上昇させるグリセミック指数(GI値)が高い場合があります。

血糖値の急上昇と急降下は空腹感を促し、結果的に食べ過ぎにつながるリスクがあります。

添加物や甘味料が多い商品もある

市販のオーツミルク製品には、見た目や風味、保存性を向上させるために様々な添加物が使用されているものも多いです。

注意が必要な添加物
  • 安定剤(ジェラングガム、キサンタンガム)
  • 乳化剤
  • 香料
  • 着色料

これらの添加物は一般的に安全とされていますが、人によっては消化不良や腸の不快感を引き起こす可能性があります。

また「無糖」と表示されていても、人工甘味料(スクラロースやアセスルファムK)が使用されている製品もあります。

これらの人工甘味料については、腸内細菌叢への影響を指摘されており、長期的な健康への影響については明確になっていません。

編集部

編集部

安心して飲むためには、原材料表示をしっかりチェックし、添加物が少ないシンプルな製品を選ぶことが重要です。

タンパク質は少なめなので補完が必要

オーツミルクは、タンパク質含有量が牛乳や豆乳よりも少ないです。

100mlあたりのタンパク質量は約1gで、これは牛乳(約3.3g)や豆乳(約3.5g)の3分の1程度にすぎません。

タンパク質は筋肉や臓器の構成要素となるだけでなく、免疫機能の維持や酵素・ホルモンの生成にも関わる重要な栄養素です。

特に成長期の子どもや高齢者、アスリート、筋力トレーニングを行っている方などは、十分なタンパク質摂取が必要です。

オーツミルクを主要な飲料として取り入れる場合は、他の食品からタンパク質を意識的に摂取する必要があります。

編集部

編集部

例えば、オーツミルクのスムージーに大豆やヨーグルト、プロテインパウダーを加えるなどの工夫がおすすめです。

アレルギーにも注意が必要

オーツミルクは牛乳や大豆アレルギーの代替品として人気がありますが、オーツ麦自体にアレルギーを持つ人もいます。

特に、グルテン感受性の高い方やセリアック病(グルテン不耐症)の方は注意が必要です。

オーツ麦自体はグルテンフリーですが、栽培・収穫・加工の過程で小麦などのグルテンを含む穀物と交差汚染するリスクがあります。

そのため、敏感な方は「グルテンフリー認証」を受けた製品を選ぶようにしましょう。

また市販のオーツミルクには、香料や安定剤などの添加物が含まれていることが多く、これにアレルギー反応を示す場合もあります。

編集部

編集部

初めてオーツミルクを試す際は少量から始め、体調の変化に注意することが大切です。

オーツミルクのメリット

オーツミルク

デメリットばかりを見てしまうと、オーツミルクは避けたほうが良いように感じるかもしれません。

しかし、適切に選べば、オーツミルクには多くの健康上のメリットがあるのも事実です。

食物繊維で腸活サポート

オーツミルクの大きな魅力の一つは、水溶性食物繊維「ベータグルカン」を含んでいることです。

ベータグルカンとは

ベータグルカンは、腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える効果が期待できます。

健康的な腸内環境は、免疫力の向上、消化の改善、さらには心の健康にも良い影響をもたらすと言われています。

オーツミルク200mlには約1.6gの食物繊維が含まれており、これは1日の推奨摂取量(20〜25g)の約6〜8%に相当します。

また、オーツ麦由来の食物繊維は、便秘の改善や腸の蠕動運動の活性化にも役立つとされています。

特に朝食にオーツミルクを取り入れることで、1日のスタートから腸活をサポートすることができるでしょう。

コレステロールゼロで生活習慣病予防に

オーツミルクには動物性脂肪が含まれておらず、コレステロールはゼロです。

またベータグルカンには、血中コレステロール値を下げる効果が期待できます。

アメリカ食品医薬品局(FDA)も、オーツ麦の摂取と心臓病リスクの低減の関連性を認めており、1日3gのベータグルカン摂取が推奨されています。

オーツミルクを日常的に取り入れることで、LDL(悪玉)コレステロールの低減が期待でき、心臓病や脳卒中などの生活習慣病予防に貢献する可能性があります。

編集部

編集部

コレステロール値が気になる方や、家族に心臓病の既往歴がある方には、牛乳の代わりにオーツミルクを取り入れてみると良いでしょう。

乳糖不耐症やヴィーガンの人に最適

乳糖(ラクトース)不耐症の方は、乳製品の消化に問題を抱えていますが、オーツミルクは乳糖を全く含まないため安心して飲むことができます。

日本人の約70%が何らかの乳糖不耐症を持つとされており、お腹の張りや下痢などの症状に悩む方も多いと言われています。

また、ヴィーガンや菜食主義者にも、動物由来成分を含まないオーツミルクは理想的な代替品です。

さらに大豆アレルギーがあり豆乳が飲めない方や、ナッツアレルギーでアーモンドミルクが飲めない方にとっても、オーツミルクは安全な選択肢となります。

編集部

編集部

オーツミルクは、様々な食事制限を持つ方の食生活の幅を広げる役割を果たしています。

美容やダイエット中にも嬉しいポイント

オーツミルクのカロリーは牛乳と比べて約20%低めで、脂質も少ないため、カロリーコントロールをしたい方に適しています。

無糖タイプを選べば、さらにカロリーを抑えることが可能です。

オーツミルクの美容効果
  • 食物繊維:満腹感を持続させる効果があり、間食の抑制にも役立つ
  • ビタミンE・ポリフェノール:抗酸化作用があり、肌の老化防止や美肌効果が期待できる

またオーツミルクはクリーミーな質感が特徴で、カロリーを抑えながらも満足感のあるドリンクやデザート作りにも最適です。

他の植物性ミルクと比較

オーツミルク

植物性ミルクには、オーツミルク以外にもアーモンドミルクや豆乳など様々な種類があります。

それぞれの特徴を比較して、自分のライフスタイルや健康目標に合った選択をしましょう。

オーツミルク vs アーモンドミルク

アーモンドミルクはカロリーと炭水化物が少なく、低糖質ダイエットやケトジェニックダイエットを実践している方に向いています。

一方、オーツミルクはより多くの炭水化物と食物繊維を含み、満腹感を得やすいのが特徴です。

オーツミルクとアーモンドミルクの違い
比較項目オーツミルクアーモンドミルク
カロリー(100mlあたり)約40〜50kcal約20kcal
炭水化物約6.5g約1.5g
食物繊維約0.8g約0.4g
風味まろやか、クリーミーさっぱり、ナッツ風味
特徴的な栄養素ベータグルカン(食物繊維)ビタミンE(抗酸化作用)
向いている用途コーヒー、料理、ベーキングスムージー、シリアル
泡立ち良好(ラテ向き)やや弱め
環境への影響比較的環境に優しい水資源を多く消費

風味と用途の面では、オーツミルクのまろやかでクリーミーな味わいはコーヒーや料理に適しており、泡立ても良好です。

アーモンドミルクはやや水っぽく、甘みが控えめで、スムージーやシリアルとの相性が良いでしょう。

また環境負荷の観点からは、アーモンド栽培は水資源を大量に消費するのに対し、オーツ麦の栽培は比較的環境に優しいとされています。

編集部

編集部

糖質制限中ならアーモンドミルク、満足感を得たいならオーツミルクというように使い分けるのがおすすめです。

オーツミルク vs 豆乳

豆乳はタンパク質が豊富で、オーツミルクと比較すると3倍以上のタンパク質が含まれています。

筋肉づくりや成長期の栄養補給を重視する場合は、豆乳がおすすめです。

また、豆乳には女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンが含まれており、更年期症状の緩和や骨粗しょう症予防に役立つ可能性があります。

一方でオーツミルクはベータグルカンによるコレステロール低減効果が期待できるため、心臓健康が気になる方に適しています。

風味については、豆乳特有の「豆臭さ」が苦手な方も多いのに対し、オーツミルクはまろやかで飲みやすい特徴があります。

オーツミルクと豆乳の比較
項目オーツミルク豆乳
カロリー(100mlあたり)約40〜50kcal約35kcal
タンパク質約1g約3.5g
食物繊維約0.8g約0.5g
特有の成分ベータグルカンイソフラボン
風味まろやか、クリーミー豆の風味が強め
調理適性コーヒー、料理に最適デザート、和食に最適

どちらの植物性ミルクにも特徴があるため、目的や料理に合わせて使い分けるのがおすすめです。

編集部

編集部

例えば朝のコーヒーにはオーツミルク、タンパク質補給が必要なトレーニング後には豆乳というように選択すると良いでしょう。

体に悪くないオーツミルクを選ぶためのポイント

オーツミルク

体に悪い影響ばかりではないオーツミルクですが、市販品を選ぶ際にはいくつかのポイントに注意しなければなりません。

ここでは、体に悪くないオーツミルクを選ぶためのポイントを詳しく解説します。

無添加・無糖タイプを選ぶ

健康を重視する場合は、添加物や砂糖が少ないオーツミルクを選ぶことが重要です。

パッケージに「無糖(Unsweetened)」や「オリジナル(Original)」と表示されている製品を選び、成分表で砂糖の含有量をチェックしましょう。

「バニラ」や「チョコレート」などフレーバー付きの製品は、糖分が多く含まれていることが多いので注意が必要です。

また、添加物についても確認しましょう。

特に「カラギーナン」は腸の炎症を引き起こす可能性があると言われているので、敏感な方は避けたほうが無難です。

編集部

編集部

「オーガニック」や「Non-GMO」の表示がある製品は、農薬や遺伝子組み換え作物を避けたい方におすすめです。

原材料は「オーツ麦+水」が理想

オーツミルクの品質を判断する最も簡単な方法は、原材料表示を確認することです。

理想的なオーツミルクの原材料は、「オーツ麦」と「水」がメインで、その他の添加物が最小限のものです。

具体的には、以下のような原材料リストが望ましいでしょう。

理想的なオーツミルクの原材料例
  • オーガニックオーツ麦
  • ひまわり油(少量)
  • 海塩(少量)

植物油(ひまわり油やサフラワー油など)が含まれている場合もありますが、これは分離を防ぎ、クリーミーな口当たりを実現するためのものです。

栄養強化型のオーツミルクには、カルシウムやビタミンD、B12などが添加されていることもあります。

1日の適量と飲むタイミング

オーツミルクの一般的な1日の適量は200〜250ml(コップ1杯程度)で、これにより必要な栄養素を摂りながらも、糖質やカロリーの過剰摂取を避けることができます。

オーツミルクを飲むのに最適なタイミングは、朝食時や運動前後です。

時間帯別オーツミルクの効果
  • 朝食時:炭水化物が一日のエネルギー源となり、食物繊維が腸の働きを活性化する
  • 運動前後:運動前はエネルギー補給に、運動後なら栄養補給に役立つ
  • 就寝前:消化に時間がかかり、睡眠の質に影響する可能性があるため避けた方が良い

コーヒーや紅茶に入れる、スムージーの材料にする、グラノーラやシリアルにかける、料理の材料として使うなど、飽きずに継続できる工夫が大切です。

編集部

編集部

オーツミルクは、牛乳の代わりに使えるレシピが多いので、料理やお菓子作りにも活用してみてくださいね。

まとめ

オーツミルク

オーツミルクが「体に悪い」という噂について、デメリットとメリットの両面から詳しく解説してきました。

結論としては、適切に選び、適量を摂取すれば、オーツミルクは多くの人にとって健康的な選択肢となります。

オーツミルクを選ぶ際の重要ポイント
  • 無糖・無添加タイプを選び、余計な糖分や添加物を避ける
  • 原材料は「オーツ麦と水」がメインのシンプルな製品が理想的
  • 1日のコップ1杯程度(200〜250ml)を目安に飲む
  • 朝食時や運動前後など、エネルギーを必要とするタイミングでの摂取がおすすめ
  • タンパク質は少ないため、他の食品からの補完を意識する

オーツミルクのデメリットとして挙げられる「糖質が多い」「添加物が多い」といった点は、商品選びの問題であり、適切な製品を選ぶことで回避できます。

一方で、食物繊維が豊富で腸内環境を整える効果や、コレステロールゼロで心臓の健康をサポートする効果など、多くのメリットもあります。

特に乳糖不耐症の方や植物性食品を中心とした食生活を送りたい方にとっては、有用な選択肢となるでしょう。

最終的には、自分の体調や健康目標、好みに合わせて、オーツミルクを含む様々な飲料をバランスよく取り入れることが大切です。

編集部

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この記事を参考に、ぜひご自身に合ったオーツミルクの選び方や取り入れ方を見つけてみてください。