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タウリンって健康にいいって聞くけど、どんな食べ物に含まれてるの?
どんな効果があるの?

タウリンは、私たちの体内でも合成されるアミノ酸の一種で、エネルギー代謝をサポートし、細胞を保護するなど、健康維持に欠かせない栄養素です。

魚介類や肉類に豊富に含まれており、疲労回復や血圧の調整、視力の保護など、さまざまな健康効果が科学的に証明されています。

しかし、現代の食生活ではタウリンの摂取が不足しがちであり、効果的に摂るためには食材の選び方や調理法を工夫することが大切です。

この記事では、タウリンの基礎知識や健康効果、タウリンを多く含む食品、効率的な摂取方法まで、わかりやすく解説します。

編集部

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タウリンを使った簡単レシピも紹介するので、日々の健康管理に役立ててくださいね。

タウリンとは?基本知識を解説

タウリン

タウリンは私たちの体内で多くの重要な役割を担う栄養素です。

ここではタウリンの基本的な特徴と、体内での働きについて解説します。

タウリンの特徴

タウリンは、アミノ酸の一種ですが、タンパク質を構成する20種類のアミノ酸とは異なり、「含硫アミノ酸」に分類されています。

体内で合成できますが、乳幼児や高齢者、ストレスの多い状況下では合成量が不足するため、食事からの摂取が重要となります。

水溶性で体内に蓄積しにくく、過剰摂取の心配が少ないのも特徴です。

タウリンの特徴
  • 含硫アミノ酸:分子内に硫黄原子を含む特殊なアミノ酸
  • 体内で合成可能:しかし、状況によっては不足することがある
  • 水溶性:体内に蓄積しにくく、過剰摂取のリスクが低い
  • 遊離アミノ酸:タンパク質を構成せず、単独で機能する

タウリンは心臓・脳・網膜・筋肉・肝臓など多くの重要な器官に高濃度で存在しており、これらの組織の健康維持に不可欠な役割を果たしています。

編集部

編集部

タウリンはエナジードリンクや栄養ドリンクにも配合されていますが、これはタウリンが細胞機能の維持や代謝のサポートに関与しているためです。

タウリンが体内で果たす役割

タウリンは肝臓で作られる胆汁酸と結びつき、「タウリン抱合胆汁酸」という物質を作ります。

これが脂質(油分)の消化を助け、スムーズに吸収できるようにします。

さらに、細胞を守る働きがあり、外部からのダメージやストレスから体を守るサポートをします。

タウリンの主な働き
  • 脂質の消化を助ける(胆汁酸と結びつき、脂肪の分解をサポート)
  • 細胞を守る(外部の刺激から体を保護)
  • 体内の水分バランスを整える(細胞内の水分量を調節)
  • 筋肉や神経の働きを助ける(カルシウムの動きをサポート)
  • 脳のバランスを整える(神経の興奮を抑え、リラックスをサポート)

タウリンは体の水分バランスを整えたり、神経や筋肉の動きを助けるといった働きもあり、健康を保つために重要な役割を果たしています。

編集部

編集部

タウリンは「疲労回復成分」として知られていますが、体のさまざまな働きを支える重要な栄養素です。

タウリンの健康効果とは?

タウリン

タウリンには、数多くの健康効果があることが明らかになっています。

ここでは、タウリンがもたらす主な健康効果について詳しく解説します。

疲労回復とスタミナ向上

タウリンは疲労回復を助け、スタミナを向上させる働きがあることで知られています。

筋肉の疲れを軽減し、運動のパフォーマンス向上に役立ちます。

タウリンは筋肉に多く含まれており、運動中のエネルギーの使い方をサポートすることで、効率よく動けるようにします。

また、運動によって体内にたまる乳酸の増加を抑え、疲れがたまりにくくする効果もあります。

さらに、タウリンは体の細胞を守る働きがあり、運動によるダメージから筋肉を保護します。

編集部

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この働きにより、運動後の回復が早まり、持久力アップにもつながるため、アスリートやスポーツをする人に注目されています。

肝臓の働きを助け、体をきれいにする

タウリンは肝臓が作る胆汁(消化を助ける液体)の分泌を助け、体の中の老廃物や毒素をスムーズに排出できるようにします。

お酒を飲んだときに発生する有害な物質の分解を助けることで、肝臓の負担を減らします。

タウリンは脂肪の蓄積を防ぐ働きもあり、脂肪肝や生活習慣病が気になる人におすすめです。

編集部

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お酒を飲む前に「シジミの味噌汁」が良いと言われるのは、シジミにタウリンがたくさん含まれているからです。

血液をサラサラにして健康を守る

タウリンは、悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪を減らすのに役立ちます。

タウリンは胆汁の分泌を助けることで、血液中の余分な脂肪を体の外へ排出しやすくします。

また、脂肪がたまりすぎるのを防ぎ、エネルギーとして使いやすくする効果もあります。

これにより、動脈硬化を予防し、心臓病や脳卒中のリスクを下げることが期待できます。

血圧を整え、心臓の働きをサポート

タウリンには、血圧を安定させる働きがあります。

特に血管を広げ、血流をスムーズにすることで、高血圧を防ぎます。

また心臓のリズムを整え、しっかりと血液を送り出せるようにサポートします。

タウリンを適度に摂取すると、心臓への負担を減らし、心臓病のリスクを下げる可能性があります。

目を守り、視力をサポート

タウリンは、目の健康を守る大切な成分です。

網膜(目の奥にある光を感じる部分)にはタウリンがたくさん含まれており、視力を維持するのに役立っています。

タウリンは目を強い光やストレスから守り、疲れにくくする効果があります。

また、加齢による視力の低下を防ぎ、網膜の健康を保つサポートをします。

パソコンやスマホをよく使う人や、目の疲れが気になる人は、タウリンを意識して摂取するとよいでしょう。

老化を防ぎ、免疫力を高める

タウリンには体を若々しく保ち、病気を防ぐ働きがあります。

体内の細胞を守り、老化を進める原因となる活性酸素を減らす働きがあるため、肌や体の健康維持に役立ちます。

また、タウリンは免疫細胞の働きを助け、風邪や感染症に強い体づくりをサポートします。

特に、体の防御システムを活性化し、ウイルスや細菌から守る働きがあることが研究でわかっています。

タウリンをしっかり摂ることで、病気に負けない健康な体を目指しましょう。

タウリンを多く含む食材一覧

カツオ

タウリンは、主に動物性食品に多く含まれています。

ここでは、タウリンを効率よく摂取できる食材と、その含有量について詳しく紹介します。

魚介類に多く含まれるタウリン

タウリンは魚介類に特に豊富に含まれており、特に貝類や青魚に多く含まれています

また、魚介類のタウリンは加熱しても比較的残りやすく、日常的に取り入れやすい栄養素です。

タウリンが豊富な魚介類(100gあたり)
食品名タウリン含有量特徴
あさり(生)約800mg貝類の中でも特に多い
しじみ(生)約700mg肝機能をサポート
たこ約650mg高タンパク・低カロリー
かき(生)約580mg亜鉛も豊富で免疫力アップ
いか約550mg筋肉部分に多く含まれる
まぐろ(赤身)約520mg良質なタンパク質を含む
さば約450mgDHA・EPAが豊富
かつお約430mgビタミンB群も豊富

魚介類にはタウリン以外にも、良質なタンパク質やオメガ3脂肪酸、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が含まれています。

青魚に多く含まれるDHAやEPAは、タウリンと同様に心血管の健康維持に役立つため、一緒に摂ると相乗効果が期待できます。

肉類にも含まれるタウリン

タウリンは魚介類だけでなく、肉類や内臓肉にも含まれています。

心臓や肝臓などの内臓肉には、多くのタウリンが含まれています。

一方で、鶏肉や牛肉、豚肉の赤身部分にもタウリンは含まれていますが、魚介類と比べると少なめです。

タウリンが豊富な肉類(100gあたり)
食品名タウリン含有量特徴
鶏レバー約300mg鉄分・ビタミンAが豊富
牛心臓約280mg低脂肪・高タンパク
牛レバー約250mg栄養価が高く、鉄分が豊富
豚レバー約220mgビタミンB群が豊富
鶏むね肉約50mg低脂肪・高タンパク
牛赤身肉約40mg良質なタンパク質を含む
豚もも肉約35mg脂肪が少なくヘルシー

肉類から効率よくタウリンを摂取するには、内臓肉を積極的に取り入れるのがポイントです。

また内臓肉はタウリンのほかに、鉄分やビタミンA、ビタミンB群など栄養価の高い食材です。

内臓肉には脂質やコレステロールが多く含まれているため、食べ過ぎには気をつけましょう。

植物性食品にはタウリンが含まれている?

タウリンは動物性食品に多く含まれる栄養素であり、植物性食品にはほとんど含まれていません

そのため、ベジタリアンやビーガンの方は、タウリン不足になる可能性があります。

しかし、体内では必須アミノ酸であるメチオニンとシステインをもとに、ビタミンB6の働きによってタウリンを合成することができます。

タウリン合成を助ける食品
  • メチオニンを含む食品:大豆、ナッツ類、ごま、ひまわりの種
  • システインを含む食品:大豆製品、全粒穀物、ブロッコリー、ニンニク、タマネギ
  • ビタミンB6を含む食品:バナナ、じゃがいも、ほうれん草、にんじん、アボカド

ただし、体内でのタウリン合成には限界があり、特に高齢者や疾患のある方、激しい運動をする方は合成だけでは不足する可能性があります。

編集部

編集部

完全菜食主義の方は、タウリンが添加された栄養補助食品やサプリメントの利用を検討するのもひとつの方法です。

タウリンを効率よく摂取するためのポイント

point

タウリンは水溶性のアミノ酸であるため、調理方法によって損失する可能性があります。

ここでは、タウリンを効率よく摂取するための調理法や食べ合わせについて紹介します。

タウリンを逃さない調理方法

タウリンは水溶性の栄養素であるため、調理方法によって損失量が変わります

タウリンを効率よく摂取するためには、短時間の加熱や水分の少ない調理法を選ぶことがポイントです。

タウリン損失を抑える調理法
  • 蒸し料理:直接水に触れないため、水溶性栄養素の損失が少ない
  • 短時間の焼き料理:水分の流出が少なく、高温にさらす時間も短い
  • 煮物は煮汁ごと摂取:煮汁に溶け出したタウリンも一緒に摂取
  • 炒め料理:短時間で調理でき、水分の流出も少ない
  • 刺身や酢の物:加熱しないため、タウリンがそのまま残る

また、タウリンの損失を防ぐための調理のコツとして、以下のポイントも覚えておくと良いでしょう。

  • 生で食べられる食材(刺身など)はできるだけ加熱せずに摂取する
  • 加熱する場合は、急速に高温で短時間調理する
  • 調理前に食材を大きめに切り、表面積を減らし、栄養素の流出を抑える
  • 煮汁や出汁は捨てずに、スープやソースとして活用する

タウリンの吸収率を高める食べ合わせ

タウリンの吸収率を高めるためには、相性の良い栄養素と一緒に摂取することが効果的です。

特に、ビタミンB6亜鉛はタウリンの利用効率を高める栄養素として知られています。

ビタミンB6はタウリンの体内合成に関わっており、タウリンの代謝を促進します。

また、亜鉛はタウリンの吸収と利用をサポートする役割があります。

相性の良い組み合わせ例
  • 魚介類 + レモン:ビタミンCが抗酸化作用を高め、タウリンの効果を促進
  • 貝類 + ほうれん草:ビタミンB6が豊富なほうれん草で代謝をサポート
  • 魚 + ナッツ類:亜鉛やマグネシウムが豊富なナッツがタウリンの機能を強化
  • レバー + オリーブオイル:良質な脂肪と一緒に摂ることで吸収率が向上
  • カツオ + ニンニク:ニンニクの硫黄化合物がタウリンと相乗効果

また、タウリンは脂溶性ではありませんが、タウリンを含む食材を良質な油と一緒に摂ることで、消化吸収が緩やかになり、体内での利用効率が高まる可能性があります。

編集部

編集部

ビタミンEなどの抗酸化物質を一緒に摂ることで、タウリンの抗酸化作用を補完し、相乗効果が期待できます。

一日に必要なタウリン摂取量の目安

タウリンの1日の推奨摂取量は正式には定められていませんが、一般的に健康維持のためには500〜1000mgが目安とされています。

通常の食生活で十分な量を摂取できるため、特別な理由がなければサプリメントの必要はありません。

しかし、激しい運動をする方や高齢者、ストレスが多い方は、体内合成が減少する可能性があるため、食事からの摂取を意識しましょう。

対象目安摂取量 (1日あたり)
一般的な成人500〜1000mg
アスリート・運動量が多い人1000〜3000mg
高齢者700〜1500mg
妊婦・授乳中の女性700〜1200mg

タウリンを効果的に摂取するには、日常の食事に魚介類や肉類を取り入れることが大切です。

例えば、週に2〜3回魚を食べることで、一般的な成人の目安摂取量を十分に満たせます。

編集部

編集部

サプリメントに頼る前に、まずは食事からのタウリン摂取を意識してみましょう!

タウリンを活用したおすすめレシピ3選

アサリ

タウリンを効率的に摂取するためのレシピを3つ紹介します。

どれも手軽に作れて、美味しく栄養バランスの良いメニューなので、ぜひお試しください。

炊飯器で炊くだけ「たこ飯」

タウリンが豊富なたこを使った簡単炊き込みご飯のレシピです。

炊飯器で炊くだけなので手間がかからず、たこのうま味がお米に染み込んで絶品です。

材料(4人分)
  • 米:2合
  • ゆでだこ(刺身用):200g
  • にんじん:1/2本
  • しょうが:1片
  • だし汁:400ml
  • 醤油:大さじ2
  • みりん:大さじ1
  • 塩:小さじ1/2
  • 万能ねぎ(トッピング用):適量

【作り方】

  1. 米を研いで水を切り、炊飯器に入れておく
  2. ゆでだこは1cm角に切り、にんじんは細切りにする
  3. しょうがは千切りにする
  4. 炊飯器に、だし汁、醤油、みりん、塩を加え、軽く混ぜる
  5. 切ったたこ、にんじん、しょうがを加える
  6. 通常モードで炊飯する
  7. 炊き上がったら、軽く混ぜ、器に盛り、刻んだ万能ねぎを散らす

あさりと春キャベツの味噌汁

タウリン含有量がトップクラスのあさりを使った、疲労回復効果の高い味噌汁のレシピです。

春キャベツの甘みとあさりのうま味が絶妙に調和し、栄養価も高い一品です。

材料(4人分)
  • あさり(砂抜き済み):300g
  • 春キャベツ:1/4個
  • 長ネギ:1/2本
  • しょうが:1かけ
  • 水:800ml
  • 酒:大さじ2
  • 味噌:大さじ4
  • 三つ葉(飾り用):適量

【作り方】

  1. 春キャベツは食べやすい大きさに切り、長ネギは斜め薄切り、しょうがは千切りにする
  2. 鍋に水と酒を入れて火にかけ、あさりを加えて蓋をする
  3. あさりの口が開いたら、春キャベツ、長ネギ、しょうがを加える
  4. 野菜がしんなりしたら火を弱め、味噌を溶き入れる
  5. 一煮立ちしたら火を止め、器に盛って三つ葉を散らす

栄養満点!カツオのキムチのせ

タウリンを豊富に含むカツオと、代謝を促進する発酵食品のキムチを組み合わせた、簡単でヘルシーなレシピです。

カツオのたんぱく質とキムチの発酵由来の栄養素が相乗効果を発揮し、エネルギー代謝の向上や疲労回復に効果的です。

材料(2人分)
  • カツオの刺身(ブロック):200g
  • キムチ:100g
  • 長ネギ(みじん切り):1/4本分
  • しょうが(すりおろし):小さじ1
  • ごま油:小さじ2
  • 醤油:小さじ2
  • 白ごま:適量

【作り方】

  1. カツオは1.5cm厚さのそぎ切りにする
  2. キムチは粗みじん切りにする
  3. ボウルにキムチ、長ネギ、しょうが、ごま油、醤油を入れて混ぜ合わせる
  4. 皿にカツオを並べ、3の混ぜ合わせたキムチソースをのせる
  5. 白ごまを散らして完成

まとめ

さば

タウリンは、体内で多様な役割を果たす重要なアミノ酸であり、特に魚介類や肉類に豊富に含まれています

健康維持やパフォーマンス向上のために、日常的な摂取を心がけることが大切です。

タウリンの主な健康効果
  • 疲労回復とスタミナ向上に効果的
  • 肝臓機能をサポートし、解毒作用を促進
  • 血中コレステロールや中性脂肪の低下に貢献
  • 高血圧予防と心臓機能の向上をサポート
  • 目の健康、特に網膜を保護する作用がある
  • 抗酸化作用によるアンチエイジング効果と免疫力向上

タウリンを効率的に摂取するためには、あさり、しじみ、たこ、かきなどの魚介類や、レバーなどの内臓肉を積極的に食事に取り入れることがおすすめです。

調理の際は、水分の少ない調理法や短時間の加熱を心がけ、タウリンの損失を最小限に抑えましょう。

一般的な成人の場合、1日あたり500〜1000mgのタウリン摂取が目安とされていますが、個人の状態や活動量によって最適な摂取量は異なります。

編集部

編集部

バランスの良い食事の中でタウリンを意識的に取り入れることで、健康維持や疲労回復、アンチエイジングなどの効果が期待できます。