乳製品は本当に体に悪いのか、不安に感じたことはありませんか。
「牛乳やヨーグルトは控えた方がいいの?」「毎日摂り続けても大丈夫?」と、判断に迷っている人も多いでしょう。
乳製品はすべての人にとって体に悪いわけではありませんが、体質や摂取量に合わせて取り入れ方を考えることが大切です。
この記事では、乳製品が体に悪いと言われる理由について解説します。乳製品を摂るメリットや、乳製品を控えるときにおすすめの代替食品も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
乳製品は体に悪いわけではない

牛乳やヨーグルトなどの乳製品は、誰にとっても避けるべき食品ではありません。
「乳製品は体に悪い」という情報もありますが、健康への影響は体質や摂取量によって異なります。乳糖不耐症や乳アレルギーがある人、乳製品を摂りすぎている人は、体調不良につながる場合があるため注意が必要です。
気になる症状がある場合は、種類や量を調整し、無理のない範囲で取り入れ方を見直してみてください。
乳製品が体に悪いと言われる理由

乳製品が体に悪いと言われるのはなぜなのか、詳しく解説していきます。
- 乳糖不耐症の人は消化不良を起こす
- カゼインが乳製品アレルギーの原因になりやすい
- 脂質や糖質でカロリー過多になりやすい
- IGF-1によりニキビや肌荒れが悪化する場合がある
- SNSを中心に誤った情報が拡散されている
乳糖不耐症の人は消化不良を起こす
乳糖不耐症の人は、乳製品に含まれる乳糖を十分に分解できず、消化器症状が現れることがあります。
乳糖を分解する酵素「ラクターゼ」の働きが弱いと、消化されなかった乳糖が大腸まで届いてしまいます。その結果、おなかの張りや腹痛、ゴロゴロ、下痢などが起こる場合があるのです。
カゼインが乳製品アレルギーの原因になりやすい
牛乳や乳製品で体調を崩す原因として、カゼインなどの乳たんぱく質によるアレルギーがあげられます。
カゼインは牛乳たんぱく質の主成分で、体の免疫が異物と判断すると、牛乳やヨーグルト、チーズなどを食べた後に症状が現れます。じんましんや湿しんのほか、嘔吐、下痢、咳、息苦しさなどがみられ、重い場合はアナフィラキシーを起こすこともあるため注意が必要です。
乳製品アレルギーが疑われる場合は、自己判断で除去や量の調整をせず、医師の診断と指導のもとで食事内容を見直しましょう。
脂質や糖質でカロリー過多になりやすい
乳製品は、脂質や糖質を多く含むものを摂りすぎると、カロリー過多につながることがあります。とくにチーズやバターは脂質が多く、アイスクリームや加糖ヨーグルト、乳飲料は糖質も多い傾向にあるため、摂取量には注意が必要です。
ただし、牛乳や無糖ヨーグルトを適量摂ること自体が、すぐに太る原因になるわけではありません。
カロリーが気になる場合は、無糖や低脂肪の商品を選び、栄養成分表示を確認しながら食事全体で調整しましょう。
IGF-1によりニキビや肌荒れが悪化する場合がある
乳製品とニキビの関連が指摘される背景には、IGF-1などのホルモン経路が関係すると考えられています。IGF-1の働きが活発になると、皮脂の分泌や毛穴周辺の角化が促され、毛穴が詰まりやすくなる可能性があります。
ただし、研究で関連が比較的多く報告されているのは牛乳であり、すべての乳製品がニキビや肌荒れを招くとは断定できません。
肌の変化が気になる場合は、乳製品を一律にやめるのではなく、種類や量を調整しながら様子を見るとよいでしょう。
SNSを中心に誤った情報が拡散されている
「乳製品は体に悪い」という印象は、SNSで断定的な健康情報が広がっていることも原因のひとつです。
個人の体験談や研究結果の一部分だけでは、その情報が自分にも当てはまるかどうか判断できません。オンライン上の健康情報には不正確な内容もあるため、元の情報源や科学的根拠を確認することが大切です。
乳製品が体に悪いか迷ったときは、よく見かける情報だから正しいと決めつけず、公的機関などの情報と照らし合わせましょう。
乳製品を摂るメリット

乳製品は、日々の食生活に取り入れやすく、さまざまな面で役立つ食品です。
ここでは、乳製品を摂ることで得られる主なメリットについて、詳しく解説していきます。
カルシウムが骨や歯の健康を支える
カルシウムは、骨や歯を形づくる材料となる重要なミネラルです。牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品にはカルシウムが含まれており、そのまま食べたり飲んだりできるため、手軽にカルシウムを摂取できます。
牛乳なら、コップ1杯の200mLで約220mgのカルシウムを補えます。
また、牛乳に含まれるカゼイン由来の成分などがカルシウムの吸収を助けるため、効率よく補いやすい点もメリットです。
たんぱく質が筋肉や体づくりを支える
たんぱく質は、筋肉をはじめ、皮膚や髪、臓器などを構成するために欠かせない栄養素です。
乳製品はカルシウムだけでなく、たんぱく質の補給源としても役立ちます。乳たんぱく質には、体内でつくれない9種類の必須アミノ酸がバランスよく含まれているのが特徴です。
また、牛乳に含まれるホエイは比較的速く消化・吸収されるため、運動後のたんぱく質補給にも取り入れやすいでしょう。
発酵乳製品が腸内環境づくりを助ける
乳製品を摂るメリットは、ヨーグルトなどの発酵乳製品から乳酸菌や、商品によってはビフィズス菌を取り入れられることです。
ヨーグルトに含まれる菌の一部は、腸内細菌のバランスやおなかの調子を整える働きが期待されています。ただし、働きは菌株や摂取量によって異なるため、すべてのヨーグルトで同じ効果を得られるとは限りません。
腸内細菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を含む食品と組み合わせると、食事全体で腸内環境づくりを支えられるでしょう。
ビタミンやミネラルも補える
乳製品には、ビタミンB2やビタミンB12、カリウムなどが含まれています。
ビタミンB2はエネルギー代謝を助け、ビタミンB12は赤血球の生成や神経細胞の機能維持に関わります。
また、カリウムは体内の浸透圧を整え、リンは細胞内でのエネルギー貯蔵などに関わるミネラルです。
乳製品は、体の機能を支える複数のビタミンやミネラルをまとめて摂取できる点もメリットです。
積極的に摂りたい乳製品

乳製品は、すべてが同じように体へ影響するわけではありません。砂糖や脂質、食塩が多く含まれる商品を日常的に食べ過ぎるのは避けたい一方で、牛乳やヨーグルト、チーズは、カルシウムやたんぱく質などを補える食品です。
農林水産省の「食事バランスガイド」でも、牛乳・乳製品はカルシウムの供給源として位置付けられています。乳製品を取り入れる場合は、加糖のデザート類よりも、余分な糖分や脂質が少ないものを選びましょう。
無糖・低糖のヨーグルト
ヨーグルトは、カルシウムやたんぱく質を補いやすい乳製品です。日常的に食べるなら、砂糖を多く含む加糖タイプよりも、無糖のプレーンヨーグルトを選ぶとよいでしょう。
甘みが欲しい場合は、果物や少量のはちみつを加えることで、糖分の量を自分で調整できます。ただし、はちみつは1歳未満の乳児には与えないでください。
また、牛乳を飲むとお腹が張る人でも、ヨーグルトは比較的食べやすい場合があります。
牛乳・低脂肪乳
牛乳には、カルシウムのほか、たんぱく質やビタミンB2、ビタミンB12などが含まれています。手軽に栄養を補えるため、間食として大量に飲むのではなく、食事の一部として適量を取り入れるのがおすすめです。
摂取エネルギーや脂質、LDLコレステロール値が気になる人は、低脂肪乳や無脂肪乳も選択肢になります。低脂肪乳や無脂肪乳は、一般的な牛乳より乳脂肪が少ない一方、たんぱく質やカルシウムを補うことができます。
一度に多く飲むとお腹の不調が出る場合は、コップ半分程度から試す、食事と一緒に飲むなどの工夫をしましょう。
ナチュラルチーズ
ナチュラルチーズは、少量でもカルシウムやたんぱく質を摂取しやすい乳製品です。牛乳を飲む習慣がない人でも、サラダやスープ、パンなどに加えることで取り入れられます。
一方、チーズは種類によって脂質や食塩が多く含まれます。健康に良いからとたくさん食べるのではなく、スライスチーズ1枚程度など、少量を料理に取り入れるのがポイントです。購入時には栄養成分表示を確認し、食塩相当量や脂質が比較的少ない商品を選びましょう。
なお、熟成されたハードチーズは乳糖が比較的少なく、乳糖不耐症の人でも食べられる場合があります。ただし、症状には個人差があるため、無理に摂取する必要はありません。
サワークリーム
サワークリームは、生クリームを乳酸菌で発酵させて作る、爽やかな酸味とコクが特徴の乳製品です。料理に少量加えるだけで味に深みが出るため、じゃがいもや温野菜、スープ、肉料理などに添えて楽しめます。
ただし、発酵食品だからといって、ヨーグルトと同じ感覚でたくさん食べてよいわけではありません。サワークリームは乳脂肪を多く含むため、カルシウムやたんぱく質の補給を主な目的とするよりも、料理の風味づけとして少量取り入れるのが適しています。
購入するときは、砂糖や香料が加えられていないシンプルな商品を選びましょう。脂質や摂取エネルギーが気になる場合は、低脂肪タイプを選んだり、プレーンヨーグルトと混ぜたりする方法もあります。
乳製品の替わりになるたんぱく質・カルシウム源

乳製品を控えるときは、これまで乳製品から摂っていた栄養素をほかの食品で補うことが大切です。不足しやすいカルシウムやたんぱく質を意識し、食べやすいものを組み合わせて選びましょう。
- 小魚:骨ごと食べられるものなら、カルシウムを補える
- 大豆製品:カルシウムやたんぱく質を補える
- 豆乳:飲み物や料理で牛乳の代わりに使いやすい
- 肉・魚・卵:たんぱく質の補給源になる
- 海藻類:カルシウムなどのミネラルを含む
- ごま・アーモンド:料理や間食からカルシウムを補える
一つの食品だけに頼らず、毎日の食事や間食に分けて取り入れると、栄養の偏りを防ぎやすくなります。
乳アレルギーがある人は、加工食品に乳成分が使われている場合もあるため、原材料表示やアレルギー表示を必ず確認してください。
まとめ
乳製品は、すべての人にとって体に悪いものではなく、カルシウムやたんぱく質などを手軽に補える食品です。
一方で、乳糖不耐症や乳アレルギーがある人は、体質に合わせた選び方や対応が必要になるでしょう。また、脂質や糖質の多い乳製品は摂りすぎに注意し、種類や量を意識して取り入れることが大切です。
乳製品が合わない場合も、ほかの食品から必要な栄養素を補えば、無理に摂る必要はありません。
自分の体調や食生活に合う形を見つけ、乳製品のメリットを上手に活用してみてください。