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私たちの身の回りにある多くの食品や飲料に使用されている『果糖ぶどう糖』

名前は聞いたことあるけど、実際どういったものなんだろう?

ユーザー

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このように、その正体や特徴についてはあまり知られていないかと思います。

編集部

編集部

この記事では、果糖ぶどう糖液糖の基本的な情報から、砂糖や人工甘味料との違い、健康への影響まで詳しく解説します。

果糖ぶどう糖液糖とは

果糖ぶどう糖液糖は、じゃがいもやさつまいも、とうもろこしなどの植物性原料から作られる天然由来の甘味料の一種で、砂糖の代替品としても多く利用されています。

果糖ぶどう糖液糖とは?
  • 原料は植物性で天然由来
  • 砂糖の代替品として使用される
  • 添加物には指定されていない
  • 異性化糖の一種

果糖ぶどう糖液糖は、果糖含有率が50%以上90%未満の液状糖のことを指し、 特に果糖含有率55%以上のものは、砂糖とほぼ同じ甘さを持つため、多くの食品に使用されています。

編集部

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また、低温になると甘味が強くなる特性があり、冷たい飲み物やデザートなどにも使用されています。

果糖ぶどう糖液糖などは、ぶどう糖と果糖を主成分とする液状糖「異性化糖」の一種で、異性化糖は、果糖含有率によって以下3つのカテゴリに分類されます。

  1. ぶどう糖果糖液糖:果糖含有率が50%未満
  2. 果糖ぶどう糖液糖:果糖含有率が50%以上90%未満
  3. 高果糖液糖:果糖含有率が90%以上

果糖ぶどう糖液糖と砂糖との違い

果糖ぶどう糖液糖と砂糖は、どちらも甘味料として使用されますが、その原料や製造方法に違いがあります。

砂糖はさとうきびやてんさいから精製されるのに対して、果糖ぶどう糖液糖はでんぷんを酵素で分解して作られます。

また、砂糖は結晶状であるのに対し、果糖ぶどう糖液糖は液体状態です。

このため、溶けやすさや使用方法にも違いがあります。

果糖ぶどう糖液糖は砂糖よりも安いため、多くの加工食品に使用されています。

製造コストの面でも、果糖ぶどう糖液糖の方が砂糖よりも安価に生産できるため、食品メーカーにとっては経済的なメリットが強いといえます。

このコスト面において、果糖ぶどう糖液糖が広く使用される理由の一つとなっています。

編集部

編集部

上記の内容をまとめて比較表にすると、このようになります。

特徴果糖ぶどう糖液糖砂糖
原料とうもろこし
じゃがいも
さつまいも など
さとうきび
てんさい
製造方法でんぷんを酵素で分解原料を精製
形状液体結晶(粉末)
コスト安価果糖ぶどう糖液糖より高価

果糖ぶどう糖液糖は体に悪い?

果糖ぶどう糖液糖は適量を摂取する分には問題はないため、絶対体に悪いとはいえませんが、過剰摂取には注意が必要です。

糖分を摂りすぎることによって、生活習慣病のリスクが高まる可能性があります。

  • 適量を摂取するのであれば問題ない
  • 過剰摂取は生活習慣病のリスクを高める可能性がある
  • 果糖はAGEs(終末糖化産物)を多く発生させる

果糖ぶどう糖液糖の主成分である果糖は、ぶどう糖と比べてAGEsを多く発生させます。

AGEsは体内で老化を促進する物質とされているため、過剰な摂取は避けるべきです。

編集部

編集部

果糖ぶどう糖が含まれた食品の食べ過ぎはしないようにしましょう。

果糖ぶどう糖液糖が及ぼす健康被害

果糖ぶどう糖液糖の過剰摂取は、いくつかの健康被害をもたらす可能性があります。

主な影響として以下のようなものが挙げられます。

肥満のリスク増加

果糖ぶどう糖液糖は高カロリーであり、過剰摂取は体重増加につながる可能性があります。また、果糖は満腹になりにくいため、食べ過ぎてしまうリスクがあります。

血糖値の急激な上昇

果糖ぶどう糖液糖は、砂糖と同様に血糖値を急激に上昇させる可能性があります。

脂質代謝への悪影響

果糖の過剰摂取は、体内で体内性脂肪の合成を促進する可能性があります。これにより、血中性脂肪値が上昇し、心臓病のリスクが増加する可能性があります。

歯の健康への悪影響

砂糖と同様に、果糖ぶどう糖液糖も虫歯の原因となる細菌のエサとなります。

編集部

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ただしこれら健康被害は、果糖どう糖液糖に限られたものではなく、糖分全般の過剰摂取をすることによって引き起こされます。

バランスの取れた食生活を心がけ、甘味料を摂取する量に気を付けるようにしましょう。

果糖ぶどう糖液糖と人工甘味料との違い

果糖ぶどう糖液糖と人工甘味料は、どちらも砂糖の代替として使用されますが、その特性や原料に大きな違いがあります。

  • 原料:果糖ぶどう糖液糖は天然由来、人工甘味料は化学合成
  • カロリー:果糖ぶどう糖液糖は砂糖と同程度、人工甘味料はほぼゼロ
  • 甘味度:果糖ぶどう糖液糖は砂糖と同程度、人工甘味料は数百倍

人工甘味料の原料は化学合成のため、砂糖の数百倍の甘さを持っており、少量でも強い甘みを感じられます。

人工甘味料の代表的なものには、アスパルテームやサッカリンなどがあります。

これは砂糖と比較しても非常に強い甘味を持ち、カロリーがほとんどないことが特徴です。

そのため、ダイエット食品や低カロリー飲料などによく使用されます。

ダイエット中でカロリー制限が必要な人にとっては、人工甘味料の方が適している場合がありますが、独特の味があることも多く、好みが分かれるところです。

編集部

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上記の内容をまとめて比較表にすると、このようになります。

特徴果糖ぶどう糖液糖人工甘味料
原料とうもろこし
じゃがいも
さつまいも など
化学合成
カロリー砂糖とほぼ同等ほぼゼロ~低カロリー
甘味度砂糖とほぼ同等砂糖の数10~数100倍
製造方法でんぷんを酵素で分解化学的合成過程

果糖ぶどう糖液糖は添加物?

果糖ぶどう糖液糖は、日本食品化学研究振興財団の添加物リストに含まれていないため、一般的に食品添加物とは見なされていません。

ポイント
  • 食品添加物リストに含まれていない
  • 加工助剤として扱われる

果糖ぶどう糖液糖は食品の加工過程で使用されるため、加工助剤として扱われることがあります。

原材料表示には記載されますが、添加物欄には記載されないのが一般的です。

果糖ぶどう糖液糖が食品添加物に指定されていない理由は、その原料が天然由来であることが大きく、とうもろこしやじゃがいもなどの植物性原料から作られるため、化学合成された人工甘味料とは区別されています。

編集部

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ただし、果糖ぶどう糖液糖が添加物ではないからといって、無制限に摂取しても良いわけではありません。

果糖ぶどう糖液糖が及ぼす健康被害の項目でも説明しましたが、天然由来の原料であっても、過剰摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、適量を心がける必要があります。

果糖ぶどう糖液糖不使用の食品

健康志向の方の中には、果糖ぶどう糖液糖を使用していない天然の食品を選択する方も増えています。

編集部

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以下の食品は、果糖ぶどう糖液糖を使用していないので、甘味料の代替食品として活用することができます。

  • オーガニック食品
  • 無添加食品
  • 自然食品
  • 砂糖や蜂蜜を使った食品

オーガニック食品や自然食品は、化学肥料や農薬などを使用しておらず、自然そのものの素材を味わうことができます。

無添加食品の中には、甘味料を完全に使用しない食品も増えています。

また、砂糖や蜂蜜、メープルシロップなどの天然甘味料は、果糖ぶどう糖液糖の代わりに使用されることが多く、ミネラルなどの栄養素を含んでいることもあります。

果糖ぶどう糖液糖を使用していない食品かどうかを選ぶ際は、原材料表示をよく確認するようにしましょう。

果糖ぶどう糖液糖を普段の生活の中で控える方法

果糖ぶどう糖液糖を含む食品を完全に制限することは難しいかもしれませんが、選び方や工夫次第で果糖ぶどう糖液糖の摂取を控える方法はあります。

編集部

編集部

ここでは果糖ぶどう糖液糖を、普段の生活の中でうまく控える方法について、いくつかのポイントをご紹介します。

水分補給の時は水や無糖のお茶を選ぶ

清涼飲料水やジュースの中には果糖ぶどう糖液糖が多く含まれていることが多いです。

水分を取る際は、水や無糖のお茶を選ぶようにしましょう。

手作りを意識する

加工食品に頼りすぎず、手作りの料理を心がけましょう。

自分で調理することで、使用する甘味料の種類や量をコントロールすることができますし、意識的に果糖ぶどう糖液糖を控えることができます。

まとめ

果糖ぶどう糖液糖は、私たちの身近な食品に広く使われている天然由来の甘味料です。

砂糖や人工甘味料とは異なる特性を持ち、適量を摂取するのであれば健康上の大きな問題はないといえます。

果糖ぶどう糖液糖を含む食品を完全に断つことは難しいかもしれませんが、この記事で紹介したように、意識的に控えることは可能です。

編集部

編集部

何より、果糖ぶどう糖液糖が含まれた食品とうまく付き合っていくことが大切です。